幸せで、それを噛み締めた笑顔じゃなかった。

 それでも俺の上手く紡げない言葉を汲み取って
 呆れながらも笑ったんだ、あいつが。

 目は真っ赤で、口はキツかったが、その時の空
 気は今まで経験した事のないほどの柔らかさを
 帯びていた。

 全身が痺れて、頭が真っ白なのに

 ドクドクと心臓の鼓動だけは嫌にはっきりと俺の
 世界を支配していた。

 泣き笑った顔が頭から離れない。

 その顔が可愛いだなんて不毛なことを思ったが

 今は追い駆けるのが最優先事項。

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(4『笑顔』)2006/03/05・種

小説版4巻のシーン
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