外も部屋も暗いにも関わらず、電気を点けずにパソコンに向かって
 何かをしている男の姿を彼は最初遠巻きで目にした。
  冷笑を湛える男の雰囲気に薄ら寒いものを感じながらも彼は部屋に
 入って男に声を掛ける。

 「いつまでそんな事続ければ気が済む?」

 「さぁ?」

  振り向かず、作業を続けながら白を切る男の態度に同情めいた気持
 ちが沸き起こる。それは相手方に対しても同様だった。

 「いい加減止めてやったらどうだ?」

  やっと顔を彼の方に向き直った男の顔はしかしながら逆行で見る事
 は叶わない。それでも彼には男が冷笑を未だに浮かべているだろう事
 は理解できた。

 「それってさぁ、同情?」
 「それ以外なにがある、気の毒だろうっ!」
 「ふ〜ん」

  自分で聞いておきながら彼の相手を心配する態度にさして興味がな
 さそうな男の様子に流石の彼も込み上げていた感情が萎えていった。

 「昔の貴様はもう少し真面だったぞ」
  一体どうしたんだ…と書いてあるのが見て取れる程、彼の顔は酷く
 痛々しそうで悲しそうであったが、そんな顔をした彼を見た男はクツ
 クツと喉を鳴らし笑った。その声に彼は底冷えする思いに駆られる。

 「何故そこまでする」

  彼の問いに男は頭を左に傾けて唸り声を上げながら考える素振りを
 見せる。次に顔を上げて眼が合った時の男の瞳はいかにも楽しいと云
 わんばかりのものになった。

  まるで獲物を見つけた獣の瞳みたいに光っている。




 「強いて言うなら好きだから?」




 「…何を言って」
  男の答えに唖然とする彼に気を留めることなく男は軽やかに、歌う
 ように続ける。 



 「好き過ぎてめちゃくちゃにしたいの」
 あいつの事



  堪え切れなかった喜びを含む声に堪らず「ディアッカ…」と男の名が
 彼の口から零れた。
 

 「イザークもさ、その内分かるんじゃない?」
 ま、好きな奴ができたらの話だけど…

  そう言ってさも可笑しそうに笑う男に彼は「俺は!」と反論仕掛けて
 その無意味さを知り、後に掛ける言葉を失くした。
  いつものどうでも良い事なら「勝手にしろ」だの「俺は知らない」だの
 言い捨ててしまうのだが、こればっかりはそんな無責任な言葉を放つ
 訳にはいかないと微かながらに思い静かにその場を後にする。

  部屋を出る間際、再度男の方に振り返ると暗闇の中でもそこだけ
 浮き立ったように男の顔が見えた。


  誰もが綺麗だと思ってしまうような微笑みで彼を見ている。
 だが彼はその笑顔を見て初めて、友人である男の事を怖いと思った。

 

 

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2006/04/06・パロ

 原作軽く(?)無視。パソコンで何してたのかは
ご想像にお任せします。とにかく攻め手側がどう
しようもなく歪んでる系が好きなんです…
痛かろうが本人治す気皆無の鬼畜な上、きちん
と自分で自覚してるのがミソ。

                     
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