愛し合っているからこそ、

 その相手がひどく大事で
 どうしようもないくらい好きだからこそ、

 離れなきゃいけないなんて

 そんな安いドラマもお涙頂戴の話もクソ食らえだと
 そんな事考えてお互い離れる奴等に
 ぶちまけてやりたい。

 なのにそれが結局自分の身に降り懸かってくる
 現実だとは考えたくなどなかった。


 「今日は海?」

 [ そうよ ]

 「んじゃ足はエレカでいい?」

 [ ええ、迎えよろしく ]

 「了解、すぐ行くよ」

 戦争に終りが見えて、
 平穏に戻ろうとしている世界の流れの中で
 やる事は沢山あった。

 あったのだ。やるべき事、やらなければならない事。

 それを理解しているにも拘わらず
 世間一般では小さい、後回しにすべき事を
 選んだ。
 外ならぬ自分の我儘で
 彼女の傍にいる事を。なのに

 「もう止めましょ」
 「は?」

 それを選んでおいて
 プラントに帰りたいと思う自分がいた。

 「今なんて言ったの」
 「だから、これで会うの止めましょう私達」
 「なんで」
 「あんた、帰りたそうだもの」

 顔に出した記憶も声にした記憶もないのだが、

 「あ゛〜…もしかして、顔…出てた?」

 ただ淡々と別れを告げる彼女の声と内容に
 反発しようとする思いと一緒に
 良い機会だと考えてもしまっている。

 「帰ればいいじゃない」
 「いや、でもよ」

 今も傍にいてやりたい気持ちは変わらない。
 暗い顔をして欲しくない。
 だから傍にいたい。
 思い出して潰れて欲しくないから此処を選んだ。

 「嫌なんでしょ?友達と敵対するのは、もう」

 帰りたい理由まで知られていた。それでも
 「終わったのよ、戦争も何も、かも」

 蒼く強い瞳が言う。伝えてくる。
 何も…支えも、もう必要ないと。独りで立てると。

 「ミリアリア」
 「私、ウルサイ男は嫌いなの」

 





 「だから…、帰りなさいよ」


 彼女は優しい嘘を吐く
 「分かった」

 

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(30『ミリアリア・ハウ』)2007/2/2・無印後

25『あなたと私と』ディアッカ版
題外
『彼の海に還る』に続きます。
やっと話繋がった…
                     
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